※これは部報『はやぶさ』に連載された健康に関するワンポイントアドバイスを記したものです。
1)免疫力をつけるためには、腸を元気にしよう!
腸には、人間の細胞の数より多い百兆個の腸内細菌が住んでいます。
その中には、ビフィズス菌や乳酸桿菌などの善玉菌と、大腸菌やウエルシュ菌などの悪玉菌がいます。腸壁には、バイエルン氏板という組織やリンパ組織があり、免疫担当の細胞(マクロファージ、T細胞、B細胞など)のリンパ球が待機していて、善玉菌を相手にトレーニングをしています。
善玉菌を増やすことは、これらの免疫細胞の数および力を強く正常にしていきます。栄養バランスのとれた食事をこころがけ、特に植物繊維や、善玉菌を積極的に採取し、適度な運動と休養をとり、便通をととのえることが大事です。
2)免疫力をつけるために、運動をしよう!
人の血管の長さは、毛細血管を含めるとおよそ10万km(地球を2周半)もあります。しかし、そのうちの半分は、血液の流れていない血管なのです。血液が流れなければ当然そこの組織に栄養もいかずその血管自体も、もろくなってしまいます。
そこで運動することによって、すみずみまで血液が行きわたり体温も上がります。体温が上がると、体の中でいろいろな酵素が働きやすくなります。すなわち、食べた栄養を、力や、働きに変えてくれることです。
毎日、1万歩以上歩くことはだれにもできる運動ですが、それもできない人はぜひ15分間の四つんばい運動をして下さい。これはいろいろな面でよい運動です。
3)胃を大事にしよう!
胃は単に食物を消化することだけでなく、それを全身に巡らすポンプ的な働きもしています。
胃の調子が悪くなると、胃の苦情だけでなく、疲れやすくなり、肩こり、めまい、のぼせなどの症状をだし、またのどのつまりや不安感など神経症状も起こします。胃は身体の中心であり、胃を丈夫にすることが身体を元気にすることにつながります。人を木にたとえるなら、胃は根の部分と思っていただければいいと思います。
ではどんな養生をすれば良いかといいますと、胃を温め、冷やさない事です。胃を冷やせば当然働きが悪くなります。
また、1日3度は胃を空にすること。これは胃を休めることになります。また食物を良くかむこと。これは消化をただ助けるだけでなく胃の働きを良くし、食べすぎも抑える事ができます。
また胃を丈夫にする運動として、「腹部マッサージ」、「スネまさつ法」や複式呼吸などがあります。
日本人の病気は、水毒によるものがたいへん多いので、まず胃をじょうぶにすることを考えてみて下さい。長びく慢性病などは、けっして胃を害していては、治らないし、胃から良くすることを考えてみてはいかがでしょうか。
4)免疫力をつけるために、食生活を見直そう!
日本食への回帰です。日本人の主食はお米です。お米は、複合糖質なので、少ない良質のインスリンで血糖をうまく利用できるのです。また、日本食は、根菜類が多いので食物繊維も多くとれます。それに日本食は、動物脂肪が多くないのでそれも良い点です。
それともう一つ気づいてもらいたい事に、調理に要する時間が長くなればなるほど、ビタミン、Ca、Fe、蛋白質の摂取量が増え、バランスも良くなるということです。
5)「気の養生」をしよう!
漢方では、気・血・水という言葉があり、気は精神的なことを表します。気は精神的なことを表します。健康な時は、気はからだの中でバランスよくめぐっています。
しかし気は、日常生活で精神的負担が多いとバランスを崩しやすくなります。神経緊張が強くなると呼吸器系に疾患のある場合は悪化します。心臓も精神的ショックに弱い臓器です。
また、一番ストレスを受けやすい臓器には胃があります。胃潰瘍のほとんどがストレスが原因です。胃へのショックが長期間続くと、今度は肝臓に負担がかかります。
このように、ストレスが体に悪い影響を与えます。ですから、気のバランスを保つために、心配、怒り、悲しみ、イラツキをなくし、落ち着いた気持ちで生活する様に心掛け、睡眠不足をさけ、身体・頭を休める事、仕事・家事の内で休息時間を取り入れましょう。
出来れば昼寝もよ良いでしょう。それ位の余裕も必要です。ハラハラ、ドキドキ、クヨクヨ、カリカリは不要なものなのです。それで、楽しみと喜びと感謝の気持ちで生活を送りましょう。
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